町内会でのIT活用に関して①(はしのまち12月号掲載)

1.地域社会の役割

地域社会の役割は次の3つに分かれます。

①災害、防犯・防災、近隣トラブルなどの問題対処機能
②清掃や共有施設や備品などの維持管理機能
③祭り・子供会・町内旅行などの親睦機能
都会の地域社会は再開発の波に飲まれて壊滅的な状況にありますが、近年これらの機能が見直されています。

2.町内会に参加しない理由

町内会に参加しない人の理由は様々です。町内会の存在を知らなかったり、何をしているのか分からないなどの情報不足、時間や労力が取られることによる拒否反応、また、そもそも地域社会に溶け込みたくないと言う心情的な理由まで人それぞれです。

 

3.現状認識と問題点

だからと言って、何もしないと言うのは怠慢だと考えております。閉鎖的なコミュニティの雰囲気や参加機会が少ないことを問題点として共有しています。例えば、旧来は「お問い合わせは○○まで(TEL XXXX-XXXX)」と回覧板に記載していましたが、これでは知らない方は連絡できませんし、町会全体のアンケートでは回覧板がマンションの住民に殆ど読まれていないという現実まで浮き彫りになりました。

 

4.解決策

浪花会では危機意識の共有を図りました。コミュニティの縮小や消滅するストーリーを共有し、ビジョンを明確にしました。
新旧住民の融合に成功している町会
若者からプラチナ世代まで楽しめる町会
時代のニーズにあった地域社会を創造する町会

解決の方向性を以下のように定義しました。

  1. ITを使った広報活動(HP・Lineなど)
  2. 組織の再構成(組織別の取り組みを再検討・青年部を兼務させる)
  3. 次世代育成(子供たちへの感動体験)
これを元にプロジェクトチームを立ち上げ、1年間にわたり改善活動を行いました。

 

5.ITと組織化による取り組み

特にITを使った情報発信を行い、イベントをフックにして誘導するなどマーケティング手法を用いた取り組み、またITを活用したリモートワークによる組織化の実現は多大なる効果を生み出しました。マンションの方々のワークスタイルにも馴染みやすい方法だったこともあり、まずアクティブな青年部員が2年間で2倍以上の人員となりました。今では8割がマンションの方々で構成されております。

 
 
次回は具体的なツールの使い方に関してご紹介致します。