マーケティングにおけるフレームワークの重要性と主なフレームワークについて

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マーケティング活動をよりよく進捗させるためにはフレームワークの使用は効果的です。

しかし、マーケティングにおいてなぜフレームワークが有効なのでしょうか?今回はフレームワークがマーケティングにもたらす効果についても触れていきます。

また、弊社福水戸家が使用するフレームワークも踏まえ、主なフレームワークやそれぞれの特徴も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

1 なぜフレームワークの活用が有効なのか

マーケティングだけではなくビジネスにおけるフレームワークは、ロジカルな意思決定や課題解決などの目的で活用され、目標や考え方を整理するためにも使用されます。

自社のリソースだけでは意思決定や課題解決に辿り着きにくい場合、フレームワークを使用してディスカッションを行うことで効率的に回答や仮説を導き出すことが可能です。

ただし、フレームワークを活用することそのものが目的となり、成果を出すことが後回しにならないように注意してください。

フレームワークを活用するにあたって大切なことは、あくまでビジネスを成功させるために役立てられる「手段のひとつ」だと認識しておくことです。

2 汎用性の高いフレームワーク

まず使用しやすいフレームワークである以下3つについて解説していきましょう。

  • プロセスマッピング
  • ベンチマーキング
  • As is/To be

2-1 プロセスマッピング

業務におけるプロセスを見える化し、タスクやボトルネックなどの要素を分析するフレームワークを「プロセスマッピング」といいます。

自社はもちろん、クライアントの業務分析にも活用できるでしょう。

単に作業を見える化するだけでなく、プロセスにおける不備を見つけ出し、改善を繰り返していくことが大切です。

プロセスマッピングは特に、ボトルネックの対処に適したフレームワークともいえます。

ボトルネックに対しどのような対策をとるか考えなければ、根本的な課題解決に至らない場合も多いでしょう。

プロセスマッピングを活用し、どのプロセスに問題があるのかを洗い出した上で基本的な課題から解消してみましょう。

2-2 ベンチマーキング

自社内・外部問わず、優れた知識や実績を持つ企業や人物の手法を自分と当てはめて比較・分析するフレームワークです。

このあと紹介する、Tobeの元になるフレームワークでもあります。

成果を上げられている企業と自社を比較した際、どうしてもギャップが見えてしまいます。

ベンチマーキングの対象とした企業は「自社が目標とする姿」であるため、可視化されたギャップを埋めることで自社の成長につながるでしょう。

ベンチマーキングを活用する際は、まずは自社の強み・弱みを分析したうえで他社のそれとすり合わせましょう。

そのうえで「他社に追いつくために何が必要か」を丁寧に分析することが大切です。

2-3 As is/To be

現在の状態を表す「As is」と、理想を表す「To be」から構成されるフレームワークです。

As is/To beを駆使することで、以下の効果が期待できます。

  • 目標とビジョンを把握・達成できる
  • 部下に対して目的意識を芽生えさせられる
  • 集客・収益における課題の抽出・解決

またAs is/To beには、顧客の目標達成をサポートする効果もあります。

ただし、現在の状態をAs isで表すことは問題ないものの、顧客の問題解決のゴールをTo beにするのは避けましょう。

To beはあくまで「理想」であり、現状を踏まえたうえで達成できるものではない可能性もあるためです。

3 サービス開発のためのフレームワーク

ここでは、サービス開発に適したフレームワークに触れていきます。

  • ブレインストーミング
  • マーケットイン/プロダクトアウト/マーケットアウト

上記2つのフレームワークについて解説します。

3-1 ブレインストーミング

ブレインストーミングとは、グループ内で出し合った意見を統合し、新たなアイデアを創出するフレームワークです。いわゆる「ブレスト」と言われる作業にあたります。

クライアントを対象としたマーケティングにおいては、アイデアの洗い出しといった観点で活用できます。

ブレインストーミングの活用によりアイデアの創出だけでなく、活発なコミュニケーションを必要とする作業なためにクライアントとの関係性を良好にすることも可能です。

クライアントと意見を擦り合わせながらアイデアを創出していくことで、より実践的な目線での課題抽出・対策立案が可能になるのもブレインストーミングの利点です。

3-2 マーケットイン/プロダクトアウト/マーケットアウト

マーケットイン・プロダクトアウト・マーケットアウトの、それぞれ独立した3つの概念をフレームワークとして活用する場合があります。

3つそれぞれの特徴や利点・懸念点などを以下にまとめてみましたのでぜひ参考にしてください。

<マーケットイン>

特徴

顧客ニーズに特化したマーケティング手法

利点

  • 世間とのズレがなくなる
  • 売上予測が容易になる
  • リスクマネジメントも可能

懸念点

  • 顧客ニーズと自社の特性が合わないと頓挫する
  • イノベーションを創出しづらい
  • あくまで安定志向

顧客や市場のニーズに特化した視点でマーケティングを実施するため、先進的なサービス創出にも適しています。

<プロダクトアウト>

特徴

企業が着手可能なサービスの基準を設けたうえで実施するマーケティング手法

利点

  • 企業の特性を活かしたサービスを創出できる
  • 既存事業をベースにしやすいため予算と時間を削減しやすい

懸念点

  • 市場・顧客ニーズと自社の特性がマッチしないことも多い
  • マッチしなかった場合の自社分析・方向性の転換に時間を要する

プロダクトアウトは既存の商材がベースとなります。ユーザー目線を失わないように設計することが大切です。

<マーケットアウト>

特徴

クライアントのプロダクトをベースにニーズに合わせた展開を進めていくマーケティング手法

利点

  • 既存の商材を利用できるため自社・クライアントともに予算と時間を節約できる
  • 既存の商材における新たな方向性を創出できる

懸念点

  • 市場ニーズによっては新規プロダクトの用意が必要
  • 市場にアピールできるプロダクトがない場合はスタートが遅れる

マーケットインは決して真新しい考え方ではありませんが、その有用性ゆえに未だに使用される考え方です。確実にニーズを捉えたサービスを立案しやすいため推奨されます。

3-3 キャリアアンカー

自身の望む価値観や欲求、能力をベースにキャリアを形成する概念のことです。

  • コンピタンス…能力やできること
  • 動機…欲求ややりたいこと
  • 価値観…やるべきこと

の3つを軸に展開されていきます。そのため、企業向けというよりは個人向けのフレームワークといえるかもしれません。そのため大企業よりもスモールビジネスにも適しています。

スモールビジネスにおいては経営者個人の想いが重要になるため、経営戦略を分析、構築するためのフレームワークとしても十分活用できるでしょう。

また近年においては、コロナ禍によりこれまで培ってきたキャリアが思うように活用できなくなった企業・経営者も増えています。

そのため、新たなキャリア形成を通じて経営を立て直していくといった観点でも、キャリアアンカーがフレームワークとして活用できます。

4 マーケティングのためのフレームワーク

最後に、マーケティングのためのフレームワークとして挙げられる以下6つについて簡潔に解説します。

  • 3C分析
  • 4P分析(4C分析)
  • SWOT分析
  • STP分析
  • RFM分析
  • ファネル分析

4-1 3C分析

3C分析とは、以下の3つから構成される、理解・情報整理に活用できるフレームワークです。

  • Customer(市場・顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

3C分析を活用することで、マーケティング環境を効果的に分析できます。

事業の方向性を明確にするうえで効果的なフレームワークであるため、立ち上げから間もないクライアントのマーケティング戦略にも役立つでしょう。

4-2 4P分析(4C分析)

4P分析とは、以下4つの要素から構成されるフレームワークです。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

顧客のニーズに寄り添った商材を提供するため、何を・いくらで・どこから・どのように販売するかという観点で分析できます。

また、4P分析とは反対に位置するフレームワークに、以下4つの要素から構成される4C分析があります。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Customer Cost(コスト)
  • Convenience(利便性)
  • Communication(コミュニケーション)

4P分析が企業目線であるのに対し、顧客目線で活用するのが4C分析の特徴です。

4-3 SWOT分析

マーケティングにおいて重要な環境分析において、現状の環境要因を見直すためのフレームワークとして活用できるのがSWOT分析です。

SWOT分析は、以下の要素から構成されていることを覚えておきましょう。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

マーケティングにおいてのプラス・マイナスの要素を分析することで、どのようなマーケティングを進めていくべきかが明確になります。

課題の抽出や解説策の立案にもつながるため、クライアントだけでなく自社の分析にも活用できるフレームワークです。

4-4 STP分析

STP分析は、以下3つの要素で構成されているフレームワークです。

  • Segmentation(市場の細分化)
  • Targeting(アプローチする市場の決定)
  • Positioning(自社の立ち位置を理解)

まずは市場を細分化して全体像を把握し、ターゲティングを通じてアプローチする市場をピンポイントで押さえます。

その後、競合分析を実施したうえで自社の立ち位置を理解し、顧客目線でのマーケティングを実施するのがSTP分析の流れです。

STP分析はマーケティングの要となるフレームワークといえるため、時間をかけて検討する必要があります。

4-5 RFM分析

RFM分析とは、以下3つの指標ごとに顧客をグループ分けする顧客分析方法です。

  • Recency(直近いつ)
  • Frequency(頻度)
  • Monetary(購入金額)

上記の指標で顧客を分類することで、顧客属性に適したマーケティングを適宜実践できます。

クライアントごとに適した施策を考案しやすくなるため、施策にかける時間の最適化も実現できるでしょう。

ただし、購入した商材は度外視されるため、RFM分析だけで顧客分析を完結させることは難しいといえます。

4-6 ファネル分析

顧客の購買におけるプロセスをファネルに置き換え、認知・経験・リピートの階層ごとで分析する手法です。

ファネル分析を取り入れることで、マーケティングにおけるボトルネックを特定できます。

また、KPIを設定したマーケティングのプロセス整理に活用できるのもファネル分析の特徴です。

ファネル分析を実施する際は、市場ニーズの把握やプロセスの簡略化を意識することが大切です。

まとめ

マーケティングにおけるフレームワークは、意思決定・課題解決のために活用されます。

改めて今回ご紹介したフレームワークを整理してみましょう。

汎用性の高いフレームワーク

  • プロセスマッピング
  • ベンチマーキング
  • As is/To be

サービス開発のためのフレームワーク

  • ブレインストーミング
  • マーケットイン/プロダクトアウト/マーケットアウト

マーケティングのためのフレームワーク

  • 3C分析
  • 4P分析(4C分析)
  • SWOT分析
  • STP分析
  • RFM分析
  • ファネル分析

今回紹介したフレームワークを、自社の分析やクライアントの望むマーケティング施策立案にお役立てください。